高精細な3Dプリントでは中空形状を作る事で組立不要で可動するモデルを作る事ができます。
旧日本海軍で使用された機銃の1/80スケール模型にこの機構を盛り込んでみました。
この動画のモデルはランナーから切り出しただけのモデルでそれ以外の加工は全く行っていません。
3Dモデルの断面を表示するとこのようになっています。
一体に見えながら可動域に合わせて部品を分割し、各部品をランナーに接続して一体としています。
可動させるための仕掛けは下図の赤丸部分で部品間に0.1~0.15mmの隙間を設けています。
可動に必要な隙間の大きさは試作を重ねて調整しましたが、発射角をバラつかせて固定する
といった用途の場合は0.25mm程度の大きめの隙間を設けると少ない試作で済むかもしれません。
(0.25mmの隙間で確実に可動する保証するものではありませんのであしからず…)
また下図のように軸が左右にぶれ過ぎないように凸のストッパー形状も軸に仕込んでいます。
この凸を受ける側にも隙間が必要でここも試作を重ねて調整しました(この機銃では0.15mm)。
なお隙間を設けるにあたって隙間にサポート材が残らないように抜き孔を設けています。
この機構を応用すると下のような揺れるつり革を車体と一体造形で作ることもできます。
(つり革の場合は簡単に揺れてよいので隙間を0.5mm程度に大きくとっています。)
縮尺の都合で小さ過ぎて組み立てるのが難しそうでも可動が魅力になるモデルには向く機構と思います。