DMM.makeの新サービスでフルカラーレジン(エコノミーレジンの塗装サービス)が開始されたので早速利用してみました。
エコノミーレジン自体は昨年発売されたもので、1/24(Gゲージ)の大型模型を一体で出力できる事が魅力の素材でした。
さらに研磨と塗装の処理が追加されたのがフルカラーレジンの特徴です。
(エコノミーレジンで1/24のNT100形を造形した記事はこちらから)
今回は1/45(Gゲージ)の万国博モノレールで試してみました(手前の小さい物は1/150)。
白と青の塗装が決まっていて、簡単な組み立てで大スケールの実質完成品が得られるのは魅力的です。造形物の大きさは全長約350mm全高約110mm(データ上)です。
塗装サービスを使うためには色毎にデータを分ける必要があり、パーツ構成は上の写真の様にしました。
この点がフルカラー3Dプリントと大きく異なり、複雑な塗分けに使うには難しそうです。
(青の部分に色剝げがありますが組み立てと分解の際に擦れたためです)
指定した色は以下の通りです。
色 | 指定色 |
白 (車体) | しろ White U |
青 (車体/台車カバー) | あお Process Blue |
灰 (台車) | スカイグレイ 7543U |
フルカラー3Dプリントと異なり造型痕が処理されているため上の写真のように
塗装面の仕上がり状態は非常に美しく3Dプリント品とは思えないレベルです。
造形痕の残っている部分を探すと上の写真のタイヤの部分にわずかに残っている程度でした。
フィレットを付けた部分などでも造型痕は見られませんでした。
車体内部や運転台周りなど塗料が回り込みにくい部分は少し下地の色が透けています。
このあたりは人の手で塗る場合と変わらず、人の手で塗る事を意識したパーツ分割が必要そうです。
さらにフルカラー3Dプリントとの違いとしてパーツを分けるために塗膜の厚さまで考慮した嵌め合いの調整が必要な点があり、ここは手間のかかる部分になっています。
今回は嵌め合いを少し大きめに0.5mmで設定したところ少し緩い(組み立てに接着剤が必要)レベルでした。
一部0.25mmで設定した部分は削る必要があったため、接着剤使用前提であれば0.5mm確保するのが安全そうです。
測定ポイント | 塗色 | データ上寸法[mm] | 造形物実測値[mm] |
車体厚み | 白 | 7.5 | 7.8 |
車体扉幅 | 白 | 26.7 | 26.4 |
車体窓幅 | 白 | 33.3 | 33.4 |
車体窓高さ | 白 | 24.5 | 24.3 |
車体ダクト部凹み | 青 | 1.0 | 0.9 |
台車カバー厚み | 青 | 2.7 | 2.8 |
台車カバー高さ | 青 | 32.0 | 32.3 |
台車梁厚み | 灰 | 5.6 | 5.8 |
台車取付軸直径 | 灰 | 8.3 | 8.4 |
台車案内輪厚み | 灰 | 5.1 | 5.4 |
上の表は一部箇所で3Dデータ上の数値と造形物の寸法を比較したものです。
塗装の分だけ0.2mm前後の寸法影響があるようです。
以下各部の写真です。塗装状況等の参考にどうぞ。
最低厚み等の造形条件は従来のエコノミーレジン同等のため鉄道模型で適用できるスケールは1/80以上になりそうですが、造形痕と塗装の処理が不要な点は魅力的なサービスです。